本当は怖い毛細血管の減少

毛細血管とは?

毛細血管とは体中に張り巡らされた血管のことで、血管全体の99%を占めその長さは地球2周半にも及ぶと言われています。

その役割は人間のあらゆる臓器・細胞へ血液を運び「新鮮な酸素と栄養素を届け」、「二酸化炭素と老廃物を回収」することです。

従って、もし毛細血管に血液が流れなくなると、その先の細胞は死んでしまい、老廃物はそこに溜まり続けることになるのです。

これがいわゆる老化現象です。

気が付きにくい毛細血管の減少

最初は毛細血管に血液が流れなくなります。血液が流れなくなった毛細血管をゴースト血管と呼びます。そして次第に本当に消滅してきます。

ところが毛細血管が一本無くなっても人間の生命活動にはほとんど影響ありません。それが気が付きにくい理由です。

しかし、それも積み重なるとやがて臓器全体が機能不全を起こし、糖尿病や認知症といった生活習慣病を引き起こすのです。

生活習慣病は突然なる病気ではなく、10年、20年と日々の生活習慣が積み重なり病気となって現れるのです。

病気になって初めて毛細血管が減っていることに気が付くことに。しかしそれでは時すでに遅し、後悔先に立たずという状況になってしまうのです。

毛細血管がゴースト化する理由

ではなぜ毛細血管はゴースト化してしまうのでしょう。

その理由は運動不足による血流低下や加齢に伴う血管の硬化など様々な原因がありますが、自律神経の働きも大きく関わっています。

自律神経とは人の意思が関わらない細胞レベルの生命活動のことを言います。

起きているときの「交感神経」と寝ている・リラックスしているときの「副交感神経」という二つの状態があり、活動状態によって切り替わります。

毛細血管に血液が流れるためには副交感神経の状態になる必要があるのです。

ところが、現代社会はストレス社会。ストレスにより自律神経が乱れがちです。

自律神経が乱れると常に「交感神経」になりがちで、「副交感神経」への切り替わりがうまく行かなくなります。「副交感神経」への切り替わりがうまくいかないと毛細血管へ血液が流れなくなり血管がゴースト化していくのです。

夜あまり眠れないなど、日頃からストレスを感じている人は要注意です。

加圧トレーニングで毛細血管を活性化

加圧サイクルトレーニングは毛細血管に注目したトレーニング方法です。

まず、加圧を行うことで血流がアップします。そして加圧と除圧を繰り返すことで自律神経に作用し毛細血管へ血液を行き渡らせるのです。

また、加圧トレーニングを継続していくと血管が強くしなやかになっていきます。これは運動により血管内での一酸化窒素(NO)が増えていくことによります。

この一酸化窒素(NO)は血管を強くする働きがあり、さらには血管内の悪玉コレステロール(LDL)の沈着を防ぐ効果もある血管にとって非常に大切な物質です。

このように加圧サイクルトレーニングにより血管を健康を保ち、毛細血管の隅々まで血液を行き渡らせることができるのです。

有酸素運動ではゴースト化を防げない?

血管とか血流改善と聞くと心肺機能を強化する有酸素運動を連想する人も多いでしょう。

しかし、有酸素運動だけでは毛細血管のゴースト化は防げません。

有酸素運動は心肺機能を強化できるので心臓から血液を送り出す力は強くなります。

ところが、運動中は興奮状態のため、自律神経は交感神経が優位となり、毛細血管へは血液は流れないのです。

もちろん血流は良くなるので効果が全くないわけではありませんが、最終的に毛細血管へ血液が流れるかどうかは運動後の過ごし方に掛かってくるのです。

それぞれのトレーニングの目的や特徴を理解することも大切です。