なぜ筋トレが必要なのか?

筋肉は「使わないと減る」という特徴があります。

人間の筋肉量は特に何のトレーニングもしない場合、20歳頃にピークを迎え、40歳頃から年々減っていき、70歳を迎える頃にはピークの頃から30%以上減ると言われています。

一方、正しい方法で継続的にトレーニングを行えば「筋肉は何歳になっても増やすことができる」という特徴もあります。

気が付いたときから始めれば誰でも筋肉を増やすことができるのです。

筋肉が減ると何が困るの?

筋肉には瞬発力を担う「速筋」と持久力を担う「遅筋」の2種類がありますが、使わないと真っ先に落ちるのが「速筋」です。

速筋は瞬発力を担う筋肉であり、重いものを持ったり、全力で走るときに使われます。

こう聞くと「重いものを持つこともないし、スポーツもしないので速筋なんて無くてもいい」と思う人もいるでしょう。

しかし、筋肉量の減少はそのまま筋力の低下となります。何もしないと最終的には姿勢を保つ、身体を支える、といった基本的な動作もできなくなってしまうのです。

気が付きにくい筋肉の減少

筋肉(速筋)の減少は年に1%という非常に緩やかなペースです。そのため多くの人が自分の体の筋肉(速筋)の減少に気が付きません。

ふとした拍子に体力の低下が気になったとしても、「年を取ったな」で済ませてしまうことが大半でしょう。

そしていつの間にか70歳を迎え、その頃には背中が丸まり、歩幅が縮まり、階段の昇り降りが苦になり、ちょっとした段差につまづき、片足で自分の体を支えることができず、転んでしまい、しまいには寝たきりになってしまうのです。

平均寿命が70歳台の時代はそれでも問題ありませんでした。しかしこれからの時代は人生100年と言われる長寿化社会です。

この長寿化社会を生き抜くには「体が資本」、いつまでも体が自由に動くことがなにより重要になってくるのです。

速筋の隠れた役割

近年の研究で、速筋は瞬発力以外にも私たちの体にとって大切な働きを行っていることがわかってきました。

例えば基礎代謝です。基礎代謝とは細胞レベルで行われる代謝で寝てる間も常に行われています。その20%を占めるのが筋肉で、ほとんどが速筋によって行われています。

速筋が減ると代謝も落ち、太りやすく痩せにくい体質となってしまいます。それはまさにダイエットの敵と言えるでしょう。

また、代謝とは熱を産み出すことです。体の中で熱を産み出す力が弱まれば当然、体が冷えやすくなります。速筋が減ることで冷え性な体質になってしまうのです。

また、速筋が減少すると熱中症になりやすくなります。筋肉には保水力があり筋肉量が多い人ほど熱中症になりにくいのです。

意外と難しい速筋に効く筋トレ

そもそも速筋に効く筋トレというのはどういうものでしょうか?腕立て伏せ?腹筋?スクワット?いえいえ、種目は関係ありません。速筋に効くかどうかはトレーニング強度によるのです。

一般的に速筋に効く筋トレとは、10~15回で限界となるような重さで行います。例えばダンベルを持ち上げる運動を考えると、15回まで持ち上げて16回目はもう持ち上がらないという具合です。

それ以上に回数を増やせる重さでは速筋には効かず遅筋が鍛えられます。すなわち腹筋やスクワットを20回も30回もやっても速筋は一向に鍛えられないのです。

実はこの「10~15回で限界となる重さ」が問題なのです。例えばスクワットを例に考えてみましょう。日頃、運動不足の人がいきなりスクワットを行うと10回でヒザが悲鳴を上げてしまいます。

自分の体重さえ支えることが難しいのです。そして「無理はしない方がよい」と言って筋トレをあきらめてしまうのです

速筋に効く筋トレとは注意深く行わないと重さで関節を痛めてしまうのです。多くの人が筋トレに挫折してしまう理由がここにあります。

速筋をらくらく鍛えられる加圧トレーニング

それを解決してくれるのが加圧トレーニングです。

加圧トレーニングでは通常の半分の重さもで同等の効果が得られます。20回、30回と行える重さでも速筋が鍛えられるのです。

スクワットならば椅子から立ち上がるような簡単な動作で十分な効果が得られ、ヒザを痛めるリスクを低減してくれるのです。
加圧トレーニングであれば、筋トレはしたいけど筋肉痛や関節痛が怖いという人でも心配なく速筋を鍛えられます。

速筋はもはやアスリートやボディビルダーだけのものではなく、誰でも手に入れることができる筋肉なのです。

さらに、加圧トレーニングで筋トレを行う場合は、速筋だけでなく遅筋も同時に鍛えられるという画期的な特徴もあります。

トレーニングを効率化し、時短を可能にしてくれるのです。


有酸素運動では速筋を維持できない?

残念ながら有酸素運動で速筋を維持することはできません。ジョギングやウォーキングは手軽に取り組め人気が高く、健康習慣として非常に良いものですが、「速筋」という観点から見るとほとんど効果のないトレーニングなのです。

そもそも有酸素運動は持久系のトレーニングであり、心肺機能と筋持久力の強化、脂肪燃焼を目的として行うものです。筋肉で言うと「遅筋」に作用するトレーニングなのです。

それぞれのトレーニングの目的や特徴を理解することも大切です。

休日のスポーツで速筋が減る?

休日に趣味のスポーツを楽しんでいる人はどうでしょう?野球、ゴルフ、サッカー、テニス、サイクリングなどのスポーツでは速筋を使います。これなら速筋を維持できるでしょうか?実はこれでも速筋の維持は難しいのです。

例えば野球やゴルフの場合、速筋は重要な筋肉です。しかし、試合だけでは筋肉を鍛えることはできません。筋肉の減少ペースを緩やかにしてくれるかもしれませんが、増えることはないのです。そもそも試合だけで筋肉が増えるならプロ選手たちは日々トレーニングをする必要がありません。

サッカーやテニス、サイクリングはどうでしょう?これら種目では速筋も使いますが持久的な要素も加わり運動時間が長くなる種目です。実は長時間の運動は速筋を減らしてしまうのです。

これは長時間の運動により体内のエネルギーが不足し、筋肉をエネルギー源とするからと言われています。日頃の運動不足を解消とばかりに休日に長時間の運動をすると、かえって速筋は減ってしまうのです。

休日にスポーツを楽しみたいなら、その日以外に最低1回は筋トレを行い筋肉を維持する必要があるのです。